『お薬と生活』コーナーでは、お薬や健康生活にまつわる話題を取り上げています。
日々の生活の中に取り込めるちょっとした工夫や季節に応じた健康対策のほか、ケイアイエム(KIM Pharmacy)の薬局店舗での取り組みなど、みなさまの健康生活をサポートする情報を提供しています。
油断大敵! 無症状の糖尿病
2015年12月
お酒を飲む機会も多い時期ですね! ついつい食べ過ぎたり、飲み過ぎたり、寝不足になったり。
経済の高度成長や生活習慣の欧米化により、その患者数が増え続けているのが糖尿病。今回は、“ぜいたく病”ともいわれるこの糖尿病についてお話をさせていただきます。
糖尿病とは
膵臓から出るインスリンというホルモンが少なくなったり、うまく作用しなくなったりして、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)の高い状態が続くのが糖尿病です。
一口に糖尿病と言ってもいくつかの型がありますが、日本人の大多数を占めるのが生活習慣病と言われる2型糖尿病です。肥満度が高いほど有病率は高くなる傾向にあり、不規則な生活や食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足など、生活習慣の乱れから糖尿病の予備軍も多くいると言われています。糖尿病と糖尿病予備軍を合わせると約2,000万人となり、国民の5~6人に1人が該当することになります。
糖尿病の症状
少しくらい血糖値が高くても、通常自覚症状はありません。ある程度進行すると、のどが渇いたり、尿の量が多くなったり、体重が落ちてきたりします。そして、血糖値の高い状態が長期間続くと様々な合併症がおきてきます。
糖尿病網膜症では視力の低下がおこり、失明に至ることがあります。また、糖尿病腎症ではむくみや吐き気などが現れ、さらに進むと透析が必要になることもあります。糖尿病神経障害では足の指先や足裏などにしびれが現れたり、ほうっておくと組織が壊疽(えそ)することもあります。
糖尿病は合併症の病気と言われますが、恐ろしいのはこの合併症なのです。
そのほかにも、血糖値が高いと傷が治りにくく、感染症にかかりやすくなります。虫歯や歯周病、水虫にもなりやすく、重症化しやすいことが知られています。
糖尿病を見つけるには
糖尿病の対策としては、発症の予防と早期発見、治療、そして合併症の予防が重要です。ですが、糖尿病の早期は自覚症状がほとんどないため、多くの人は糖尿病に気付きません。
ですから、定期的な検査が大切なのです。会社や地域の健康診断、人間ドックなどで定期的に調べることをお勧めします。そして、もし血糖値や、聞きなれないかもしれませんがHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の異常値を指摘されたら、医療機関で専門的な検査を受けてください。糖尿病は油断大敵です!