『お薬と生活』コーナーでは、お薬や健康生活にまつわる話題を取り上げています。
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虫刺され、かぶれと思ったら…!? 帯状疱疹のお話
2016年8月
毎日暑い日が続いていますね。体調を崩しやすいこの時期、虫刺されのあとがなかなか治らず、皮膚科にかかったら帯状疱疹と言われた、ということをよく耳にします。
多くの方が熱中症や夏風邪には気をつけていたのに、まさか帯状疱疹に!?と驚かれます。
帯状疱疹ってどんな病気?
水ぼうそうにかかったことのある人なら、誰でも発症の可能性がある身近な病気です。
この病気のウイルスに感染した時には、まず、水ぼうそう(水痘)を発症します。水ぼうそうは子供にとって非常にポピュラーな病気です。成人では90~95%の人がすでに感染し、水ぼうそうに対する免疫を持っていると言われています。
しかし水ぼうそうが治っても、このウイルスが体内からなくなるわけではありません。長い間、体の神経節に潜んでいて、さまざまなきっかけから再びウイルスが暴れだします。何年も、何十年もたってから症状をあらわす、その状態を「帯状疱疹」といいます。
50歳以上の患者さんが全体の7割を占めていると言われます。多くの場合は一生に1度だけ発症しますが、約1%の割合で再発する場合もあります。
症状
神経に沿って体の左右のどちらか一方に帯のように症状が出るのが特徴です。症状が体の両側にまたがることはほとんどありません。
- ❶ ピリピリ・チクチクした痛みが起こる(激痛の場合もあり、間違って整形を受診することも)
- ❷ 数日~1週間後にその部分が赤くなり、やがて痛みを伴った水ぶくれができる
- ❸ 水ぶくれは、やがてかさぶたになり、通常2~3週間程度で症状が無くなる(湿疹のあとはしばらく残ることも)
※発病中に神経に傷がついてしまうと、治癒したあとにも痛みだけが残ることがあります。これを「帯状疱疹後神経痛」といいます。
似ている病気 単純ヘルペス
似た病気にウイルスが親戚の単純ヘルペスという病気があります。これは主に顔面、口のまわり、まぶたなどに出ます。
単純ヘルペスの症状は?
帯状疱疹と症状は似ていますが、痛みはひりひり(ピリピリ)程度の事がほとんどです
再発することが特徴で、人によっては毎週のように出ることもありますが、数年間出ないこともあります。
2つの病気の治療法は?
抗ウイルス剤を症状に応じて内服、塗布、点滴(重症の場合)します。
ウイルスの増殖を抑えます。
後遺症で帯状疱疹後神経痛になった場合は、神経症状を改善する薬や痛み止めを服用します。
発症を防ぐために
- 疲れがたまったとき
- けがや病気になったとき
- ストレスにさらされたとき
このように免疫力が低下したときに発症します。
日頃から疲れやストレスをためず、十分な睡眠とバランスの良い食生活、そして適度な運動を心がけることが予防につながります。そして、帯状疱疹や単純ヘルペスかな?と思ったら、なるべく早めにお医者さん(皮膚科や内科)にかかりましょう。